看板も無く路地裏にひっそりとある珈琲店
覗くと中は薄暗く
白熱灯の灯りがとても淡く美しい
勇気を出してその扉を開けると中は別世界
恐る恐るカウンター席に座る
注文は深煎りのエチオピアとチーズケーキ
店内は静かで古い柱時計が時を刻む
小音量で音楽が流れている
珈琲豆は天秤に乗せて測るオールドスタイル
直火で湯を沸かしネルを静かに広げて整えている
パンパン…パンパン…
白熱灯に照らされる白い肌
長い黒髪の女性が淡々と珈琲にお湯を落とす
タチ、タチ、タチ、ツー
糸のように細い黒い液体が真鍮の小鍋に入っていく
チッ、チッ、チッ、タチッ、タチッ、チッ、タチッ
柱時計と点滴の音が時折シンクロする非日常の空間
とても美しい所作で淹れられたその珈琲は
普段飲んでいる珈琲とはまるで違う飲み物に感じる
焙煎がとても深いはずなのに嫌な苦味をまるで感じない
エチオピアの気品のある芳香と鼻から抜ける
スモーキーさと苦甘さ余韻が儚く消える
『33回転』というのはレコード盤の回転数のこと
45回転のほうが物理的には音質はいいのですが、音質的な良さと音楽的な良さは必ずしも=では無いのが面白いところです
珈琲にもそういう想いがあり『33回転』という名前をつけました